丸の内仲通りアーバンテラス Client: NPO法人大丸有エリアマネジメント協会 Website: ligare.jp Date: 2015- Services: Place Concept,Branding Design,Naming,Brand Activation 4000社が拠点を置き、24万人が働く大手町・丸の内・有楽町(大丸有)エリアはアジア圏最大のビジネスエリアのひとつ。2002年の東京駅に面した丸ビルのリニューアル以来、大規模な再開発が続いています。 Street to Urban Place エリアを南北につなぐ目抜き通りの丸の内仲通りはかつては銀行や証券会社の店舗がならび、閉店時間の15時には閑散としてしまう通りでした。再開発が進み、人気の店舗が並び、平日も休日も人通りが絶えない、美しく便利な通りとなった丸の内仲通り。これまで車道だった部分を通行止めにして、歩行者空間にするプロジェクトがたちあがりました。 繁華街での歩行者道路化は世界に多くの事例がありますが、オフィス街での事例は多くはありません。この街の目抜き通りはどのような機能を持つべきか。 「道」を「場」にするのですから、その大きな違いはそこに人の営みがあることです。 この街で働く人のことを中心に考えました。 再開発されたビルは高機能のオフィスを備え、インフラ環境もとても快適。低層階の店舗も充実しています。目的に対して手段が高次にデザインされています。豊かな時間を過ごすためにビルが提供できない機能とは何か、そこに手がかりを求めました。 Research & Test(社会実験) 本格的な運用前には社会実験期間があり、活用の可能性をさぐる機会がありました。 そこで、オレゴン州ポートランドで身を持って学んできているタクティカルアーバニズムの考え方でコンセプトの手がかりをさぐる試みを実施。 エリアの社会人教育プラットフォームである丸の内朝大学のソーシャルクリエイティブクラスと連携して、道路空間を使った新しいコミュニケーション創出の実験を行いました。 40名の受講生が7チームに分かれて、12月はじめの週末に「通りで人のコミュニケーションをつくる場を生む」というお題で企画を練りました。パターゴルフ場を作ったチーム、風船でオブジェをつくるチーム、こたつ、そして長縄をするだけのチーム。どのチームも道行く方々に好評でしたが、もっとも多くの人が興味を持ったのは長縄でした。クラス内の下馬評を覆し、シンプルなアイデアが輝きを放ったのです。 見えてきたことは道路空間は、街の「余白」として機能しうるであろうこと。 専有部分では実施できないようなことが実現する可能性がある。そして人のクリエイティビティを引き出すことができる。 道路空間の利用のコンセプトは、「テラス」。 高層ビルが唯一持たない機能は外気にふれるテラス空間です。道路空間をリフレッシュのためのテラスとして考える。気候の季節には気持ちのいい会議室に、またはコーヒーブレイクのための大きなオープンテラスに。週末には通りを大きくつかったイベントが開かれる。 Urban Terrace ネーミングは「Urban Terrace(アーバンテラス)」としました。大丸有エリアの魅力は世界有数の都会的な時間です。働く人にとっても、観光で世界中から訪れる人たちも都会的な体験を期待しています。常によりよい未来を求めるような空間を創出し続ける。Urbanismを探求し続ける。街の開発に長年の経験と熱い想いを持ったクライアントと共に議論を重ねてそこに行き着きました。 Verbal & Graphic Communication 軽食を提供するフードカートや、カーゴバイクを使ったパラソル、たのしい気分を創出する椅子。オブジェクトによる補助線とともに言葉やグラフィックによるコミュニケーションも必要になります。様々な文化背景をもつ国の人たちの目的地である街にふさわしい直感性の高い表現を目指しました。