まちの縁側で、ヒュッゲと出会う。

こんにちは、”なつおとこ”の勝股です。

今年の春は暑い日が多く、まちには夏の陽気が漂っている気がします。もう初夏か。

縁側でうちわ片手に冷えた麦茶をゴクゴクッと、そんなシーンすら頭をよぎります。

 

そんな季節にかこつけて、清澄白河で第3回ヒュッグリ市が開催されました。

恒例になりつつあるこのマーケット、今回も大いに盛り上がりました!

会場のフレミングハウスはガラス張りの大きな窓を開け放し、

目の前のスペースも活用することができます。

誰でもウェルカムなマーケットは、まちの縁側のような場になってゆきます。

(出店者さんの情報はコチラをご覧ください)

 

 

そもそも「ヒュッグリ」って?

 

「HYGGE(ヒュッゲ)」はデンマーク語で、

「心地よい場や時間、その感触」を意味します。

「HYGGELIG(ヒュッグリ)」とは、その形容詞にあたる言葉です。

曰く、日本人が縁側やコタツで過ごすときの感覚に近いんだとか。

 

ヒュッグリ市は「心地よさ」をもたらしてくれるものたちを集めたマーケットなのです。

 

 

ヒュッグリ市 2018 in summer

 

個性的な面々が、想いを込めて作ったものたちが集まる場には、

不思議とそこに興味や共感を寄せる人々がぞくぞくと訪れます。

会場内には、ヒュッゲなフードやドリンク、ものたち、体験などジャンルは様々。

 

事前に情報をキャッチしていた方だけでなく、近所のおばちゃんや家族、

たまたま散策に来ていた若い子たち、ランニング途中のお兄さんなども来場。

サンドイッチやお酒を買って散策の続きをする。

子どもと一緒にワークショップを楽しむ。想いある作り手さんにお話を聞く。

奥のテーブルでゆっくり過ごす。サウナトラックで陽気を浴びる。

思い思いに過ごすお客さんたちの姿を見ていると、なんだか心地よさを感じます。

 

ヒュッゲなトラックで、お出迎え

入口すぐ横でお出迎えしてくれるのは、移動式サウナトラック。

サウナが好きすぎて、「いつでもどこでも」と欲張った結果が、コレ!

カラッと晴れて気温も上がったこの日、焚いてないサウナの中はほんのりと涼しい。

会場内で買ったドリンクを持ち込んでくつろいだり、読書をする人まで。

「お邪魔しま〜す」「涼しいですねえ」なんて、初めて会った人と会話が生まれたり。

僕もお邪魔させてもらったのですが、お尻に根っこが生えてしまうほど居心地よくって。

おい仕事せえって(笑)

 

さらにさらに、このトラックは屋根にも登れるんです。

芝生の上でごろんとすると、これまた気持ちいい。

暑い中、次はわたしだ!と登る人が続出。ちょっとした撮影スポットになっていました。

 

 

ヒュッゲな昭和に思いを馳せる

この夏にキャンプ場をオープンするHYTTER LODGE & CABINS

かつての温泉旅館をロッジとして活用するようで、

長らく使われていた昭和の香りがする古道具たちが並びました。

これがまた大の人気で、最後には、お皿2枚を残して全て完売していました。

「このお皿は重くて持ち帰れないんだって・・・」と少し悔しそう。

 

不思議なのは、当時まだ生まれていない僕でも、なぜか懐かしさを感じるところ。

なんていうか、ほっこりするような感じ。

おばあちゃんの家とか妙に落ち着く感じのする、アレです。

そういう香りをまとったものたちに、僕らは自然と手が伸びるのかもしれません。

昭和レトロな栓抜きとかわいらしい駒たち、思わず買ってしまいました。

ちなみに、子どもたちはそんなことお構いなしに玩具で楽しそうに遊んでいましたよ!

蓼科のヒュッゲな山小屋で、今年の夏休みを過ごしてみてはいかがでしょうか?

 

 

カバンにヒュッゲを忍ばせて

大竹兄弟によるデザインユニット、PORT。

「なぜか気になる」デザインとして作られたのは、メモ帳とペン置きでした。

Twitterから着想を得た140字詰め原稿用紙のメモ張は、

実は1つ1つ活版印刷で丁寧に作られています。

その辺の雑紙を使うのもいいけど、たまには少し特別な紙にメモするのはどうだろう?

なんてことのない日常に粋な要素を取り入れると、違った空気が流れるかもしれません。

自分用のメモを作家気分で書いてみるのもあり。

紙の手触りが気持ちいい、ヒュッゲなコミュニケーションツールです。

トタン屋根風のペン置きも、シンプルだけど全てオリジナルなんだそう。

机の上に無造作に置かれたペンよりも、なんだかちょっと愛らしく見えませんか?

仕事のデスクに、ちょっとしたヒュッゲを持ち込むのも素敵じゃないか。

 

 

ヒュッゲでつながる、ものと人

カレー好きが高じてついには自分で作るまでに。名づけて「SFカレ〜」。

ありそうでなかった、すこしふしぎなカレーをふるまっていました。

少し不思議ってどんな味?と、カウンター横でカレーを食べていると・・・

オーガニック食品を販売するアリサンのお兄さんが買い物がてらレモネードを差し入れしてました。

ならばこちらはカレーでお返しと、自然と物々交換が生まれた瞬間でした。

これは撮らねば!とパシャり。

横で見ていただけの僕ですが「すごくいいなあ」と。本当にたまらんヒュッゲでした。

ずっと厨房で動いていた2人にとって爽やかなレモネードはありがたかったでしょうね。

 

実はこうした物々交換は他の場所でも起こっていたんです。

建築廃材オブジェと本を交換したり、フリマの照明とハードサイダーを交換したり。

ヒュッゲなものたちを通してヒュッゲな人たちがつながるのは見ていてすごくよかった。

 

 

いたるところのヒュッゲなシーン

 

 

ヒュッグリするのは、場のみんな。

「ヒュッグリ」をテーマにしたマーケット。

来てくれるお客さんたちがそれぞれのヒュッグリを感じてもらえることはすごく嬉しい。

でも、何もお客さんだけがヒュッグリしているわけではないんだと思います。

お客さんの反応に直に触れたり、分野は違えど想いを持った人たちが横に繋がれること。

そうしたことは僕ら出店する側にとってもヒュッグリなんですね。いや本当に。

多様なコミュニケーションが生まれる場で、みんなでヒュッグリしている感覚なんです。

 

「縁側」というのは、中と外のあいだという、どこか曖昧な空間です。

そんな余白が、人々に心地よい場や時間をもたらすのではないだろうか。

自分だけの時間・空間も安心できて心地よいかもしれません。

でも、誰かと何かを「共有する」ことにも「心地よさ」がある。

そんなことを改めて気づかせてくれた、ヒュッグリ市でした。

 

次回の開催は11月を予定していますっ。

寒くなり、夜が長くなるこの季節。夏とはまた違う空気でヒュッグリしませんか?

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。