Guide to getting lost in Hokkaido

北海道の迷い方

Client: GANWU AREA
Date: 2015
Services: Place branding,Destination branding

北海道ニセコ。今やオーストラリアや中国をはじめ世界中からスキーヤーの集まる世界屈指のスキーリゾートです。ニセコから自動車で1時間ほどにあるのが岩宇(がんう)エリア。ニセコにくるインバウンドをどうにか誘引したいという相談でした。

当初のフォーカスはニセコエリアに準じた観光資源の開発をめざすという方向。しかしニセコや近隣はリゾートとしてすでに非常に高いレベルに達しています。

ズームアウト

そこでターゲットの中でもメインとなるオーストラリア人に着目。オーストラリア人のオーセンティシティは「ディスカバリー」です。開拓者である祖先に誇りを持ち、自然を愛する国民性。若い世代にはバックパッカーも多く、歳を重ねても世界中に旅に出ます。世界有数の冒険家タイプの国民性です。

残念名所を探るワークショップ

現地の公民館に観光関係者や市民を集めてワークショップを開催しました。このエリアならではの「惜しい名所」「残念な名所」「危ない名所」を皆さんに書き出してもらうと、ものすごい量に。”絶景だが階段が壊れてる”とか”名湯だがあつすぎて入れない”、”珍奇な干物”、“アザラシの剥製が迎えてくれる居酒屋”。参加者の皆さんが嬉々として紹介してくれます。

ディープなエリアとしての紹介

当時の岩宇エリアは名称変更があったこともありGoogle Mapsにも登録されていませんでした。Googleさえ知らない、ディープでエクストリームなエリア。冒険者にはたまらない設定です。

「GO DEEP」というタグラインをつくり、これを中心にブランディングを進めました。

北海道の迷い方ガイドブック

コンセプトにあわせて制作した「HOW TO GET LOST IN HOKKAIDO 北海道の迷い方」と題したガイドブックにはワークショップで市民の皆さんから教えていただいたスポットを多言語で紹介。

あわせてニセコエリア内で流す映像も制作。何も自慢しない、それでいて珍奇なスポットが続出する映像は観光客の注目を集めました。

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「GO DEEP」は継続して地域の方々の観光促進活動のスローガンに。相手に合わせて無理をするのではなく、エリアの特性とターゲットの本心をつなぐことで、エリアの個性に誇りをもてることが最も大切なことです。