ヒュッグリ闇市

 

今週末、昨年春・秋につづいて3回目のヒュッグリ市を開催します。

今回は土曜日の夜に「ヒュッグリ闇市」と名付けたナイトマーケットをこころみます。

「なぜ闇市なのですか?悪い場所なのですか?」

というお問い合わせをいただきました。
ありがとうございます。

昨年、アメリカの提携スタジオとのお仕事でスピークイージーをコンセプトにしたレストラン・バーを計画していました。結局、途中で中止になったのですが、なんだかわくわくする計画だったのです。スピークイージーも禁酒法時代にお酒を飲む場所ですから、辞書的には悪い場所です。もちろん現代では禁酒法はありませんから、闇ではありません。実はコンセプトとしても新しくはなくて、当時の雰囲気を模したバーなんかはあちこちにある。やはり人が熱量をもって集ってできあがっていった場には魅力があり、現代には存在しえないからこそ、現代的な解釈でコンセプトをつくると面白いものになりえます。

闇市もそのまま捉えれば悪い場所なのですがやはり現代的な解釈ができれば面白い場になるのではと考えてました。戦後、物価統制下ではだいたいの生活資材の商取引が闇に該当することになります。生きていくために、あちこちに闇市ができました。法律が変わればそれは表ですから、ニュー新橋ビル、荻窪タウンセブンなど闇市がそのまま商業施設になった例も多くあります。この辺の歴史は調べるととてもおもしろいのです。秋葉原も闇市でした。これが売れるかもしれないとたまたま電気部品をもってきた商人が成功してそれを真似した商人たちが電気部品を売り出し、現在の電気街になりました。電気街からまた変貌をとげつつあるのも面白いところです。裏が表になることを繰り返して街が変わっていく様子は、非開発型のジェントリフィケーションのわかりやすいサンプルです。

「これが売れるかもしれない」という想いは、状況はずいぶん違いますが、ちいさなマーケットに実験的な出店をしたい人の想いに近いものがあります。昼間のヒュッグリ市も変わったお店が多いですが、闇市にお声がけしたお店はさらに実験的。趣味が高じて、趣味の域をこえてる人たちや、既に高い評判もあるけれど実験的な商品をもってくる人たち。売れるかもしれないし、売れないかもしれない。でもどの人のモノも、話をきいてるとわくわくしてくるのです。たのしみです。

実は「闇市」とするか「夜市」とするかは考えこみましたが、こんな具合で「闇市」を掲げてみたくなりました。北欧のヒュッゲな時間は、闇の中のちいさな灯りがつきものです。外は寒くて、暗い。冬は14時位から夕方の気配がしてくるくらい、暗い。長い闇があるからこその生活文化なような気がしています。
「ヒュッグリ闇市」は照度を落として、暗い空間をたのしみながら、実験的なモノや食べ物をたのしむ場です。

5/26、土曜日の夕方16:00-20:00、

ジビエバーガー

ハードサイダー

ヘイジーIPA

闇なカレー

建築デザイン事務所の放出品

卓球

ものすごい鯖の新企画

ABテストで探求を極めるお菓子

つきぬけたコンセプトのZINE

などなどがお待ちしてます。

食事する空間もしっかりある予定ですので、お誘いあわせの上、ぜひお越しください。